研修の効果と忘却曲線

2018.06.08

皆さんのセンターでこんなことはありませんか。

「新人を採用したが、デビュー前までに思ったようなスキルが獲得できていない」

COPC規格では、顧客業務の担当者(オペレーター等)に対して、その業務に最低限必要な知識とスキル(ミニマムスキル)を定義して、テストやモニタリング・OJTなどで客観的な合否基準とテスト形式を定めることを求めています。初期研修の結果、合格しなければデビューできません。これを“スキル検証”と呼んでいます。

ミニマムスキルの検証については、COPCの規格要求事項3.4.2に記述があります。

 皆さんのセンターでは新人の“スキル検証”の合格状況はいかがですか?

 もしスキル検証に合格できなかったら、顧客業務でのデビューはできません。

そうした場合は、弱点の補強や再研修の上でスキル再検証、つまりデビュー判定が必要になりますが、合格率が低かったり何度も不合格となったりする方がいる場合もあります。

 背景には、採用活動や研修の品質、または合格基準がデビュー時の基準として適切か、などの問題も考えられますが、今回は研修の効果ということから考察してみましょう。

 研修の効果を高めるためには、シンプルな方法ではありますが、復習が最も効果的です。

記憶の忘却について研究で有名なドイツの心理学者H・エビングハウスによると

20分後には、42%を忘却し、58%を覚えている。

1時間後には、56%を忘却し、44%を覚えている。

1日後には、74%を忘却し、26%を覚えている。

1週間後には、77%を忘却し、23%を覚えている。

1ヶ月後には79%を忘却し、21%を覚えている。

という研究結果があるそうです。

これを見ると“忘却”する前に記憶を再度定着させることが大事ということがわかります。

研修コースの期間やボリュームにも考慮しなければなりませんが、不合格⇒再研修⇒再検証を繰り返すよりは、コースの合間に復習の時間を設けることが、はるかに効率よく研修効果も高いということが言えます。

例えば研修の翌日の10分でもよいので復習の時間を設けてみましょう。

あわせて質疑応答の場とすると、新人の不安も解消でき、より研修効果の向上が期待できます。次の研修コースの見直しを行う際にはぜひ、取り入れてみてください。

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